仏教としての諸行無常の正確な意味の説明や解説。
諸行無常諸行無常(しょぎょうむじょう)とは、「一切の形成されたものは無常である」という意味。諸行無常は、諸法無我、一切行苦(一切皆苦)、涅槃寂静と合わせて、三宝印、四法印としてよく語られるが、「諸行無常の響あり」など、情緒を示すような感覚で捉えられたりしている。しかし本来の仏教的な諸行無常はそのような感覚的なものではなく、極めて哲学的で論理的である。
諸行無常の概要・定義は、「諸行=因と縁によって生ずる全ての現象」、「無常=固定的ではない」。「行」に関しては、「形成作用」を示し常に生滅を繰り返しつつ、因と縁によって生ずるすべての現象を指す。諸行無常のうちの「諸行」、因縁による全ての現象を感じ、心が捉えるためには、「五感で対象に触れる」ということや「意識」としての情報が起こる必要がある。意志の発生、認知や動機を含めた意識の状態を含め一切の形成されたものは固定的ではなく常に変化するというのが諸行無常である。対象が人物であれ物であれ状況であれ、出会った瞬間に別れることは確定しており、変化は避けられない。
そして変化してしまうものに執著を持っていると苦しみが生まれる。